斎藤昌美(ふじ育ての親)

りんご歴史研究所の木浪です。
弘前市禅林街にあります藤先寺のご住職に
津軽藩士についていろいろ取材させて頂いた時、
偶然ご紹介頂いたのが斎藤文伸さん。
ふじりんごの生みの親の一人、
斎藤昌美さんの息子さんです。
文伸さんから昌美さんのお話を沢山聞かせて頂きました。
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昭和30年、
斎藤昌美さんは、新種「ふじ」が、
本当に栽培に耐えられる品種かどうかを調べる
重要な役目を任されます。
この話はNHKプロジェクトXにも取り上げられました。

「ふじ」は昭和初期に交配されましたが、
その後日本は戦争に参戦したため、
選抜の機会を逃し戦後になってやっと発見されたのです。
選抜とは、同じ父親母親から生まれた苗木でも
性質が全部違う子供ができる為、
その中から秀悦なものを選び出す事。
「国光」を親とする組み合わせは総数2241個。
これを研究員が一つずつ食し、確認するのです。
一研究員の一日のノルマは30種。

りんごの酸の過剰摂取で消化器系に
影響が出るくらい大変な仕事なのだそうです。

そしてとうとう一人の研究員が「これは!」とみつけて
上司に報告。ふじが発見された瞬間でした。

ここから実際に畑で栽培されるのですが、
ふじは当初、色が悪くツル割れしやすい傾向がありました。
東京の千疋屋社長からもこの色では売れないと
ダメだしされててきたくらいです。
この欠点を克服できるのは斎藤昌美さんしかいない!
時代は昌美さんにふじを託したのでした。

昌美さんは体が丈夫な方ではないので
ほとんど自宅と畑から出ることは無く、
広い畑を持っているわけでもないので
いかにこの畑から美味しいりんごを作り収量を上げるかを研究し、
そのデータを細かく書き留める事を続けてきた人だったのです。
その勤勉ぶりは当時誰もが認めるものでしたし
実際、沢山の賞を取り続けていました。
昌美さんは数年をかけ、
依頼されたこのプロジェクトを成功させました。


ここで中島みゆきを流したいくらいです。
NHKさん、再放送してください。

今では世界で最も栽培されている品種となった「ふじ」。
戦後日本が生んだ発明品100選にも入っています。

カードゲームあっぷるぱい(牌)では
「ふじ」は赤列の9番に
そして文伸さんが引き継いだ
「まさゆめ」は赤列の6番に入っています。
まさゆめはふじを更にジューシーにした食感で、
貯蔵性もある注目品種ですが、
2年前に苗木が発売になったばかりなので
これからブレイクするりんごかと思います。



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